2011年08月09日

荷の上のたんこぶ

荷の上のたんこぶ



どんな仕事にも邪魔になることがあるもの。
軽の運送業にも上手くいかない原因がいくつかあります。 
そんな原因の一つが実は車内にあってこう呼ばれています。     の意      
 



軽運送業に多く使われている1BOXタイプの車ですが、実は4人乗りで後部座席があるのです。
通常は荷室の床下に後部座席は収納されておるのです。

年式の古いタイプですと後部座席にシートベルトが装着されていないものが多い!
運送専用で後部座席など使用しない方には全然問題ないのですが、最近の車には必ず後部座席用のシートベルトが装着されており、これが荷物の積み込みの際に結構邪魔になるんです。

seatbelt.jpg

写真左手前側に写っているのがそのシートベルトなのですが、これは当然左右2箇所にあり、しかも床面ギリギリのところにも金具が出ていますので、荷室には合計4箇所の突起物があることになります。(実際は運転席と助手席にもありますが、こちらは位置的に積み込みにはさほど影響はない)

商業貨物便という仕事柄、車内には目一杯積み込みたいのでこの突起物が現実問題として厄介なのです。
無理して積み込むと箱を損傷させたりもします。

物理的に取り外すことは可能だと思いますが、個人的に家族乗りもしますのでシートベルトを取ってしまうというのも現実的ではないし、使う度に取り付けるというのも面倒である。


実際この突起のおかげで積み込みを断念したこともありましたし、たかが数センチとバカにすることができないまさに厄介者なのです。



軽運送業は車体が小さいが故のセンチ単位の激しい攻防が日々繰り広げられている繊細な仕事なのです。




<今回の故事・ことわざの源泉>

「目の上の瘤」


何かと目障りであったり、じゃまになったりするもののたとえ。
目の上のたんこぶ。

                      (by 大辞泉)

2010年12月16日

注意一秒 荷が一緒

注意一秒 荷が一緒



ベテランは瞬時に荷物を見分ける能力を身につけておりますが、それでも過ちを犯すことがあります。
まさに“魔が差した”とでも言いましょうか。
そんな落とし穴が運送の仕事には多いのです。    の意。





運送の仕事を続けていると、ちょっと荷物を見ただけで納品先や重さを想像できたりするようになります。
しかしその反面、伝票との照合や個数確認、配達日時指定などの重要なチェックを疎かにすることにもなりかねません。

それでも荷物が配達先独特の形状や表装をしていれば事故は起きないかもしれませんが、困るのはドラッグストアやコンビニ等のチェーン店宛の荷物。
表装・サイズ・重さなどどこのお店宛も同じ内容のものが一斉同時発送してくる(例えばキャンペーン商材等)ことも多く、「これは自分の荷物であろう」との思い込みが誤配の原因となることが多い。

しかも困ってしまうのが1人が誤配すると、本来その誤配した荷物を届けるはずのドライバーも自分の手元には違う荷物が残っていることになる(これを運送業界では“テレコ”と呼ぶ)はずで、多くのエリアを扱っている運送会社の中で一端そのようなトラブルが生じると、どの荷物がどこで誤配しているのか調べるのが結構大変なのである。 下手すれば配達済みのお店を1軒1軒確認せねばならず、運送会社としては荷物の大小・多少に関係なく信用問題となるから非情に神経を尖らせている部分ではある。


誤配は意外にも初心者には少ないのですね。
住所確認や伝票確認を必死にやっているからです。
ところが慣れてくるとどこかにスキがでる。 これは運送の仕事だけでなくあらゆることに言えるでしょう。


確認のためのほんの数秒の時間を惜しんだばかりに後々悔やむ結果となることがいかに多いことか。

苦い経験をした方は痛いほど身に沁みている「転ばぬ先の杖」。
頭ではわかっていても、やはり人間は1度痛い思いをしないと身につかない生き物なのでしょうか・・・





<今回の故事・ことわざの源泉>

「注意一秒 怪我一生」


たった一秒の注意でも、怠れば一生直らない怪我をすることにもなりますよ  という標語ですね。                                         

2010年11月03日

急荷に一笑を得る

急荷に一笑を得る



普段から無骨なドライバーも、やはり人の子。
予期せぬ突然の仕事の依頼には相好を崩してしまうもの。 

ところがそんな仕事に限って、誰も引き受けない割の合わないものだったりするんですよ     の意      
 



昔々、毎日営業もせず責任転嫁してぶーたれている飛脚がおったそうな。

ある日、いつものように仕事もなくブラブラしていたところに突然の配達の依頼があった!

「是非ともワシに任せてくだされ!」
と二つ返事で引き受けたとさ。

「しめしめ、ワシにもやっとツキが回ってきたようじゃ。
普段からの行いが良いからじゃろう。 ヒッヒッヒッ」
と飛脚は破顔一笑、早速指定の場所に出かけて行った。

しかし物陰からこれを見てほくそ笑んだ同業者がおった。
「相変わらずバカな男よのぉ・・・」


指定の場所に到着した飛脚は唖然と立ち尽くす・・・

依頼された荷物はナント米一俵(約60s)!


「では日没までに10里先の親類まで頼みましたよ!」
と荷主の非情な声が耳元で響きます。


「これって飛脚には過積載じゃなかっぺ!」(ぷ)
「走れメロスより厳しかっぺ!」(時代錯誤)


これじゃあ誰も引き受けないはずだ・・・

飛脚は渋々と仕事を請けたのですが、途中で俵を落としたり引きずったりして破損させるわ到着が翌夜となるわ、オマケに配達先の隣家に置いてくる始末。
俵の破損で米がこぼれ中身は半分以下に減っていたとさ。
誤配・遅配・破損・個数割れ事故を見事に1件で演出!

当然荷主からは報酬は貰えず大目玉。飛脚としての評判も低下し、激務に体も壊して引退を余儀なくされたのでありました。
タウンページからも削除です(なんちゅう設定や)。


一笑を得たつもりが周囲からは一笑に付されている!
このように運送業に限らずオイシイ仕事など降って湧いてくるわけがなく、疑ってかかりましょう(笑)

絶対に請けられない請負が、そこにはある





<今回の故事・ことわざの源泉>

「九死に一生を得る」


ほとんど命が助かりそうもないところをかろうじて助かる。
                      (by 大辞泉)

2010年10月16日

秋の日は積荷落とし

秋の日は積荷落とし



秋はどこか物悲しい。 
特に今年のような長い夏が続いた時には、秋は短く、そしてドライバーには厳しい“冬”がすぐにやってくる。
そんな心の隙間に“不幸”が忍び込むのです。
事故が増える季節ですよ     の意      
 



いつの間にか日が暮れるのも早くなりました。
夏の盛りの時期には夕方4時5時に配達していてもまだまだ空は明るく余裕でしたが、今ではすっかり薄暗くなったりして何だか自分の仕事が遅れているような気持ちにもなって焦ります。

そんな時に車や荷物の事故が起こりやすい!

なぜかこの時期、いろいろ事故が増えるのはどうしてか?


春は新人も多くベテランも指導する立場もあって仕事も丁寧(笑)
ところが秋口になると新人は仕事に慣れベテランは夏の疲れが出てくるため、どうしても心身とも油断が生じるからではないかとも言われています。

思い込みによる誤配
粗雑な扱いによる荷物の落下、破損
日時指定違反(伝票の確認が甘い)
後方不注意による車両事故
車両整備不良       
       ・・・etc


年間を通じて当然注意しなければならないことですが特に秋が一番危険な時期でもありますので、ドライバーに限らずもう一度初心に戻って丁寧な仕事を心がけましょう。







<今回の故事・ことわざの源泉>

「秋の日は釣瓶落とし」


秋の日が急に沈むことを、井戸に落とす釣瓶にたとえていう言葉。
                      (by 大辞泉)

2010年09月11日

昨日は人の荷今日は我が荷

昨日は人の荷今日は我が荷



時々とんでもないサイズや重さの荷物が用意されていることがあります。
それが自分の担当する荷物ではないとわかった時のホッとした気持ちも束の間、翌日には同じような荷物が自分に待ち受けている・・・
ドライバーの宿命ともいえる因果の小車     の意      
 



朝伝票をチェックしている段階でたまに大きさや重さがイメージできないような荷物があります。
実際にホームに上がって荷物を確認しに行く時に遠目にもわかるやっかいな荷姿を発見すると、鼓動が高鳴りだします。
すでに頭の中では積み降ろしに悪戦苦闘する自分の姿がグルグルと回りだす・・・

ところが荷札を見て自分の荷物ではないとわかったときの安堵感!
まさに至福の一時です。
急に余裕が出て鼻歌まじりにその荷物の担当者を気遣ったり(笑)
そんな時に限って誤配や事故の危険性も高まるのですけど(油断)


ところが何の因果か、日が変わりまた同様の荷物が出現!
不安と不整脈まじりに荷札を見ると・・・



キャァァァーッ!



いつまでも辛い荷物から逃げられないのがこの職業の宿命。
ロシアン・ルーレットのようなスリルとギャンブル性を兼ね備えた素敵なお仕事です。
これが雨の日だったらもう最悪ですが・・・


荷物を一つ見たらいくつもあると思え!(ゴキブリか?)


決して他人事ではありません。
先に配達したドライバーの苦労話など、今後自分に災難が降りかかった時のための参考にしておきましょう。






<今回の故事・ことわざの源泉>

「昨日は人の身今日は我が身」


他人にふりかかった災難が、いつ自分にもふりかかるかわからないこと。人の運命の予測しがたいことのたとえ。
                      (by 大辞泉)